水道水質に関する基準

 水質基準項目(厚生労働省令):50項目

法令で基準値が定められ、検査が義務づけられている項目です。

人の健康に影響をあたえるもの及び色、にごり、においなど生活利用上支障のあるおそれのあるものについて設定されています。

 

水道水質に関する基準 2011年4月1日

水質基準項目(厚生労働省令):50項目

No 項目名 基準値 解説 
1 一般細菌 1mlの検水で形成される集落数が100以下 一般的に水道中には極めて少なくこれが著しく増加した状態では汚染されている可能性が高くなります。また消毒効果の確認に有効とされています。

2 大腸菌 検出されないこと 人や動物の腸内に生育し糞便とともに排出される細菌で一般には無害ですが一部に病原性を示すものがあります。
3 カドミウム及びその化合物 0.003mg/l 以下 自然界では広く分布していますが極めて少なく、工場排水などから混入し検出されることがあります。イタイイタイ病の原因物質。

4 水銀及びその化合物 0.0005mg/l 以下 自然界では広く分布していますが極めて少なく、工場排水などから混入し検出されることがあります。有機水銀化合物は水俣病の原因物質。
5 セレン及びその化合物 0.01mg/l 以下 自然界では広く分布していますが極めて少なく、工場排水などから混入し検出されることがあります。
6 鉛及びその化合物 0.01mg/l 以下 自然界では広く分布していますが極めて少なく、配水管に鉛管を使用していると稀に検出されることがあります。
7 ヒ素及びその化合物 0.01mg/l 以下 自然界では広く分布していますが極めて少なく、工場排水などから混入し検出されることがあります。
8 六価クロム化合物 0.05mg/l 以下 自然界では一般的に低い状態ですが、工場排水等により混入し検出されることが稀にあります。
9 シアン化物イオン及び塩化シアン 0.01mg/l 以下 自然水中にはほとんど存在しません。工場排水などから混入し検出されることがあります。
10 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10mg/l 以下 自然界では広く分布し、肥料や腐敗したものが多くなると検出されやすくなります。
11 フッ素及びその化合物 0.8mg/l 以下 自然界では広く分布しています。地質、工場排水に由来し検出されることがあります。
12 ホウ素及びその化合物 1.0 mg/l 以下

自然界では広く分布しています。地質、工場排水に由来し検出されることがにあります。

13 四塩化炭素 0.002mg/l 以下 塩素を含む有機化合物で空気中に揮発しやすく、フロンの原料、有機溶剤、殺虫剤に使われます。

14 1,4-ジオキサン 0.05mg/l 以下 有機溶剤や安定剤として使われます。非イオン界面活性剤の洗剤の不純物としても含まれます。
15 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/l 以下 溶剤、染料抽出剤、香料等に使われます。
16 ジクロロメタン 0.02mg/l 以下 塗料の剥離溶剤、洗浄溶剤、油脂香料の抽出剤等に使われます。
17 テトラクロロエチレン 0.01mg/l 以下 ドライクリーニング溶剤、金属の脱脂剤、溶剤、等に使われます。
18 トリクロロエチレン 0.01mg/l 以下 ドライクリーニング溶剤、金属の脱脂剤、溶剤、殺虫剤、香料の抽出剤に使われます。
19 ベンゼン 0.01mg/l 以下 染料、合成ゴム脂剤、合成洗剤、合成皮革、医薬品、食品、農薬、防虫剤等多くの製品の合成原料として使われます。
20 塩素酸 0.6mg/l以下 消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)の分解生成物です。漂白剤としても使われます。

21 クロロ酢酸

0.02mg/l 以下

原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成する消毒副生成物です。
22 クロロホルム

0.06mg/l 以下

原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成する消毒副生成物で、トリハロメタンのひとつです。
23 ジクロロ酢酸 0.04mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が、反応して生成する消毒副生成物です。
24 ジブロモクロロメタン 0.1mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成する消毒副生成物で、トリハロメタンのひとつです。
25 臭素酸 0.01mg/l 以下 消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムの不純物及びオゾン処理時の副生成物です。
26 総トリハロメタン 0.1mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成するクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムを合計したものです。トリハロメタンの生成量は、原水の有機物量、塩素注入量、水温などに影響され、これらが高いほど多く生成します。
27 トリクロロ酢酸 0.2mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が、反応して生成する消毒副生成物のひとつです。
28 ブロモジクロロメタン 0.03mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成する消毒副生成物で、トリハロメタンのひとつです。
29 ブロモホルム 0.09mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成する消毒副生成物で、トリハロメタンのひとつです。
30 ホルムアルデヒド 0.08mg/l 以下 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成する消毒副生成物のひとつで、合成樹脂の原料や生物標本の固定液としても使われます。
31 亜鉛及びその化合物 1.0mg/l 以下 自然界では広く分布していますが、自然水中では微量で、主に工場排水や亜鉛メッキ鋼管などから混入することがあります。高濃度になると白濁してきます。

32 アルミニウム及びその化合物 0.2mg/l 以下 地質由来で河川水に含まれるほか、濁質を除去する凝集処理剤として使われますが、浄水場の沈殿ろ過でほとんど除去されます。多いと白濁の原因となります。
33 鉄及びその化合物 0.3mg/l 以下 地殻中で2番目に豊富な金属で、水に高濃度に溶けてくると布などが黄褐色に着色されそれに伴い、臭気や苦みがあらわれます。
34 銅及びその化合物 1.0mg/l 以下 地殻中において豊富な金属で、水に高濃度に溶けてくると布などが青色に着色され、それに伴い、金属味をつけることがあります。
35 ナトリウム及びその化合物 200mg/l 以下 自然界に広く分布しています。自然水のナトリウムは地質に起因し、工場排水、海水等の混入により濃度が増加することがあります。塩を構成する物質で多いと塩からくなります。

36 マンガン及びその化合物 0.05mg/l 以下 自然界に広く分布しています。水道水中に高濃度含まれると黒い塊ができ、これが蛇口から流れ出ることがあります。

37 塩化物イオン 200mg/l 以下 主に天然由来が多く、高濃度含まれる場合には、工場排水などの混入が考えられます。塩を構成する物質で、多いと塩からくなります。

38 カルシウム・マグネシウム等(硬度) 300mg/l 以下 水の味に影響を与え、濃度が高いと口に残るような味がし、低すぎると淡泊でコクのない味がします。また、高濃度含まれると石鹸の洗浄効果を低下させる原因になります。
39 蒸発残留物 500mg/l 以下 水道水を蒸発させたとき、溶けていたカルシウムやマグネシウムなどが残留物として得られるものをいいます。これは味に関与し、多くても少なくても味が落ちます。
40 陰イオン界面活性剤 0.2mg/l 以下 洗濯用、台所用の洗剤として用いられています。高濃度含まれると発泡の原因となります。

41 ジェオスミン 0.00001mg/l 以下 (4S,4aS,8aR)-オクタヒドロ-4,8a-ジメチルナフタレン-4a(2H)-オールの別名。湖沼やダム湖で繁殖するアナベナ、オシラトリアなどの藍藻類によって生成される異臭味の原因物質で、水道水にカビ臭をつけます。

42 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/l 以下 1,2,7,7-テトラメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-2-オールの別名。湖沼やダム湖で繁殖するフォルミディウム、オシラトリアなどの藍藻類によって生成される異臭味の原因物質で、水道水にカビ臭をつけます。
43 非イオン界面活性剤 0.02mg/l 以下 洗剤の成分で工場排水や生活排水から河川に流入します。高濃度では泡立ちの原因となります。

44 フェノール類 0.005mg/l 以下 工場排水などに混入して検出されることがあり、ごく微量含まれていても特有の臭気、味が感じられます。

臭気

45 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3mg/l 以下 水に含まれる有機物の量。土に由来するもののほか、ダム湖などで繁殖する藻類、工場排水、生活排水などの流入によっても増加します。多く含まれると、渋味を感じるようになります。

46 pH値 5.8から8.6 酸性やアルカリ性を表す数値です。純粋な水は7.0、これより少ないと酸性が強く、多いとアルカリ性が強くなります。一般に天然水のpHは5.0から9.0の範囲にあります。

47 異常でないこと 水の味は、水に溶けている物質の種類や濃度によって異なってきます。水質基準項目すべて適合していれば、ほとんど味は感じません。
48 臭気 異常でないこと 水道汚水で問題となるものは、藻類や菌などの生物によるカビ臭や、フェノールなどの有機化学物質によるものが主な原因となっています。
49 色度 5度以下 主にフミン質(植物などが微生物によって分解されてできた有機物質)などが水に溶けて着色する場合が多いとされています。基準値内であれば、ほぼ無色です。
50 濁度 2度以下 主に粘土や鉄分、有機性物質などが原因となって起こる濁りの程度をいい、基準値内であれば、ほぼ透明です。

 

  

 水質管理目標設定項目:27項目

水質基準と違い、検査の義務はありませんが、将来にわたり水道水の安全の確保等に万全を期するため、水質基準に準じて検査・監視を行い、水質管理に役立てていくことが望ましい項目です。

毒性評価が暫定的であるため水質基準とならなかったもの、又は現在まで水道水中では水質基準とする必要があるような濃度で検出されていませんが、今後、水道水中で検出される可能性があるものなどが設定され、目標値が定められています。 

 

No 項目名 目標値 解説
1 アンチモン及びその化合物 0.015mg/l以下  自然水中にはほとんど存在しません。工場排水などから混入し検出されることがあります。
2 ウラン及びその化合物

0.002mg/l以下

(暫定値)

地殻や海水中に広く薄く分布しています。主に原子炉の燃料として使われる放射性元素です。
3 ニッケル及びその化合物

0.01mg/l以下

(暫定値)

 自然水中にはほとんど存在しません。工場排水などから混入し検出されることがあります。
4 亜硝酸態窒素

 0.05mg/l以下

(暫定値)

 自然界では広く分布し、肥料や腐敗したものが多くなると検出されやすくなります。
5 1,2-ジクロロエタン  0.004mg/l以下  塩化ビニルモノマーの原料、フィルム洗浄剤、有機溶剤、殺虫剤、金属の脱脂洗浄剤等に使われます。
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8 トルエン  0.4mg/l以下  染料、香料、合成繊維、医薬品等の原料や樹脂、塗料の溶剤、ガソリンの添加剤等として広く使われています。
9 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)  0.1mg/l以下  プラスチック添加剤(可塑剤)として使われます。
10 亜塩素酸  0.6mg/l以下  消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)の分解生成物です。漂白剤としても使われます。
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12 二酸化塩素  0.6mg/l以下  浄水場で酸化剤として使われることがあります。紙、パルプ、油脂類などの漂白にも使われます。
13 ジクロロアセトニトリル

 0.01mg/l以下

(暫定値)

 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が、反応して生成する消毒副生成物のひとつです。
14 抱水クロラール

 0.02mg/l以下

(暫定値)

 原水中の有機物質と消毒剤の塩素が、反応して生成する消毒副生成物のひとつです。医療用薬品、農薬の原料として使われます。
15 農薬類  検出値と目標値の比の和として、1以下  水源水域の水田、畑などで使われる殺虫剤、殺菌剤、除草剤等を検査対象としています。
16 残留塩素  1mg/l以下  水道法により衛生上必要な措置として塩素消毒が義務付けられています。水道水中に残っている塩素を残留塩素といい、消毒効果の有効性を表しますが、多いとにおいを感じやすくなります。
17 カルシウム・マグネシウム等(硬度)  10から100mg/l  水の味に影響を与え、濃度が高いと口に残るような味がし、低すぎると淡泊でコクのない味がします。また、高濃度含まれると石鹸の洗浄効果を低下させる原因になります。
18 マンガン及びその化合物  0.01mg/l以下  自然界に広く分布しています。水道水中に高濃度含まれると黒い塊ができ、これが蛇口から流れ出ることがあります。
19 遊離炭酸  20mg/l以下  水中に溶けている二酸化炭素(炭酸ガス)のことで、適度に含まれるとさわやかな感じを与えますが、多すぎると刺激が強くなります。
20 1,1,1-トリクロロエタン  0.3mg/l以下  金属の洗浄、ドライクリーニングの溶剤、繊維のしみ抜き等に使われます。
21 メチル-t-ブチルエーテル  0.02mg/l以下  ガソリンのオクタン価向上剤やアンチノック剤として使われます。
22 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)  3mg/l以下  水に含まれる有機物等の量の指標となるもので、水質基準項目の「有機物」とは測定方法が異なります。土に由来するもののほか、ダム湖などで繁殖する藻類、工場排水、生活排水などの流入によっても増加します。
23

臭気強度(TON)

 3以下  臭いの強さを表す数値で、水の臭いがほとんど感知できなくなるまで無臭水で希釈し、臭いを感じなくなったときの希釈倍数で示されます。
24 蒸発残留物  30から200mg/l  水道水を蒸発させたとき、溶けていたカルシウムやマグネシウムなどが残留物として得られるものをいいます。これは味に関与し、多くても少なくても味が落ちます。
25 濁度  1度以下  主に粘土や鉄分、有機性物質などが原因となって起こる濁りの程度をいい、基準値内であれば、ほぼ透明です。
26 pH値  7.5  酸性やアルカリ性を表す数値です。純粋な水は7.0、これより少ないと酸性が強く、多いとアルカリ性が強くなります。一般に天然水のpHは5.0から9.0の範囲にあります。
27 腐食性(ランゲリア指数)  -1程度以上とし極力0に近づける  水が金属を腐食させる程度を表す指標です。数値が負の値で絶対値が大きくなるほど腐食性が強くなります。
28 従属栄養細菌 1mlの検水で形成される集落数が2000以下(暫定) 生育に有機物を必要とする細菌で、塩素の消失や水の滞留に伴い増加します。水道水の衛生状態を確認する指標となります。
29 1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/l以下 塩化ビニリデン樹脂(食品包装用フィルムや家庭用ラップ等)の原料として使われます。
30 アルミニウム及びその化合物 0.1mg/l以下 地質由来で河川水に含まれるほか、濁質を除去する凝集処理剤として使われますが、浄水場の沈殿ろ過でほとんど除去されます。多いと白濁の原因となります。

 

※1.2009年4月1日より「トランス-1,2-ジクロロエチレン」が「シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン」として水質基準に追加され、水質管理目標設定項目から削除されました。

※2.2010年4月1日より「1,1,2-トリクロロエタン」は水質管理目標設定項目から削除されました。

※3.2008年4月1日より「塩素酸」が水質基準に追加され、水質管理目標設定項目から削除されました。